認定看護師資格一覧
          

がん治療に対して専門性を高めた看護師が取得する資格4つ

がんは「日本人の2人に1人」と言われているほど患者数が多く、とても恐ろしい病気です。
ですが、近年では研究も進み、医療技術は目覚しく進歩しているため不治の病ではありません。


看護師には、がんによる痛みなどの症状緩和や、強い薬による副作用の管理、
そして、がんと闘う患者の心のケアなど、重要な役割がたくさんあります。
がんと告げられた時から、患者は計り知れない不安を抱えることになりますが、
看護師は1人1人の患者の心に寄り添って、根気よく支えていかなくてはいけないのです。
また、日々進歩する医療技術に置いて行かれることなく、自己学習を続けていくことも大切です。


がん治療に対して専門性を高めた看護師が取得する資格として
「緩和ケア認定看護師」「がん化学療法看護認定看護師」
「がん性疼痛看護認定看護師」「がん放射線療法看護認定看護師」の4つがあります。


緩和ケア認定看護師


がんの療養中は、痛みや食欲不振、投薬による副作用、がんという病気に対しての恐怖や不安など
様々な「つらさ」と患者は戦っているのです。
しかも、がんの治療は長期に渡ることが多く、ずっとそのようなつらさを抱えていかなくてはなりません。
緩和ケアとは、がんにおける身体的・精神的苦痛を和らげ、
患者の生活や患者が自分らしく生きることを大切にし、患者やその家族の生活の質の改善を支援することです。


医療が発達しているとはいえ、がんが恐ろしい病気であることは誰もが知っていることです。
患者はがんだと告げられた日から、気分が落ち込み孤独感でいっぱいになってしまいます。
自暴自棄になったり、治療を諦めてしまう人もいるかもしれません。
ですが、このような苦痛やつらさを和らげることができれば
治療にも前向きに取り組むことができ、病気と向き合っていく力が湧いてくるのです。
緩和ケアは、がんを治すことと同じくらい患者にとって重要で欠かせないものだと言えます。


そして、この緩和ケアを高い水準で実践できるスペシャリストが緩和ケア認定看護師です。


緩和ケア認定看護師は、
患者に寄り添いながら、患者の苦痛をよく理解し、自分の持つ知識や技術によってその苦痛を鎮めたり
患者やその家族のQOL向上に役立つことができる能力が必要です。
また、コミュニケーションスキルも重要で、
緩和ケアを受ける患者や家族の意思を汲み取り、それを尊重したケアが実践できなくてはなりません。
そして、自らが代表となって他職種や地域の医療関係者と連携して、
チーム全体でよりよい医療を提供できるように努めることも大切です。
また、質の高い緩和ケアを実践することによって役割モデルを示し、他の看護職への指導や相談を行なうことも求められています。

緩和ケア認定看護師の受験資格は
通算3年以上の緩和ケアを受ける患者の多い病棟や在宅ケア領域での看護実績を持っていて、
積極的に治療が行われてから死に至るまでの緩和ケアを受ける患者を、
5例以上担当した実績があることが条件とされています。
また、現在、緩和ケアを受ける患者の多い病棟か在宅ケア領域に勤務していることが望ましいとされています。


がん化学療法看護認定看護師


化学療法とは、一般的に抗がん剤と呼ばれている化学物質によって
がん細胞の分裂を抑えたりがん細胞を破壊する治療方法で、がんの全身的な治療や治癒力の向上に効果的です。
抗がん剤の研究は今も続けられていて
初めて抗がん剤が発見されてからというもの、実に60種類以上の新薬が開発されています。
それによって、抗がん剤の効果が高いがんは、進行していても治癒が可能になってきているのです。


ですが、化学療法を行なう上で避けて通ることができないのが副作用です。
抗がん剤はがん細胞を攻撃する作用がありますが、それと同時に体に必要な細胞までも攻撃してしまいます。
そのため正常に働いていた白血球が減少して
貧血気味になったり、免疫力が低下したり、出血が止まりにくくなったりします。
他にも毛根細胞が攻撃されて脱毛したり、
粘膜細胞にも影響を及ぼして食欲不振になったり嘔吐したり、口内炎が頻発したりします。


がん化学療法看護認定看護師は、
がん化学療法が治療の選択肢となる時期の患者とその家族に対して
意思を尊重して治療を決定し、化学療法を実施し、
治療中や化学療法後の経過の中で、熟練した知識と技術を用いた優れた看護を実践できることが求められます。
また、抗がん剤は種類が多く、個々の患者の体質や病態に合った薬を使用しなくてはなりません。
そのため、看護師はそれぞれの薬の特性をしっかりと理解し、それぞれの副作用へ適切に対処し、
患者やその家族にとって確実・安全・安楽に化学療法を行えるようにする必要があります。
そして、患者やその家族の状況に合わせたセルフケア能力を高めるための指導も行ないます。
さらには、同じがん化学療法に携わる看護職者に対して役割モデルを示し、
指導・相談ができることも期待されている能力の1つです。
チーム全体の医療の質向上を目指して、認定看護師が橋渡しとなって他職種と連携を図ることも重要です。


通算化学療法看護認定看護師の受験資格は
通算3年以上のがん化学療法を受けている患者の多い病棟や外来、在宅ケア領域での看護実績を持っていて、
がん化学療法を受けている患者の看護(がん化学療法の投与管理の実績が必須)と
5例以上担当した実績があることが条件とされています。
また、現在、がん化学療法を受けている患者の多い病棟や外来、在宅ケア領域で勤務していることが望ましいとされています。


がん性疼痛看護認定看護師


がんでは様々な原因で痛みが発生します。
腫瘍細胞が組織に広がったために骨、神経、筋膜などを傷つけたことによる痛み、
がんによって寝たきりになった場合に筋力の低下や床ずれによる痛み、
手術や化学療法、放射線治療による痛み、
がんで免疫力が低下したことによって発症する別の病気による痛みなど、患者の多くが痛みを感じているのです。


このような「がん性疼痛」は、痛みや不安から食欲不振に陥ったり、不眠症になってしまったり、
がん患者にとって身体的・精神的、さらには社会的にも大きな苦痛をもたらします。
そのためがんの治療では、痛みを取り除くことにも重点を置いています。
ですが、がん性疼痛は適切な投薬や治療によって痛みをコントロールすることができるのです。


がん性疼痛看護認定看護師は、がんによって生じる様々な痛みを抱える患者に対して
熟練した知識と技術を持って適切に痛みのアセスメントと看護ケアを行ない、
患者とその家族のQOL向上を支援します。
また、薬物の作用を理解したうえで安全かつ適切な判断のもと使用し、
使用後の評価を行なう能力も求められています。
そして、患者とその家族の苦痛に寄り添って、効果的な痛みのコントロールを指導することで
疼痛による負担を軽減し生活の質を高める手助けをします。
さらには、自らが役割モデルとなって他の看護職者の知識や技術の向上に貢献することも期待されています。


がん性疼痛看護認定看護師の受験資格は
通算3年以上の病棟におけるがん患者の看護実績を持っていて、
病状の進行などに伴って生じる持続的な痛みを抱えるがん患者の看護を
5例以上担当した実績があることが条件とされています。
また、現在、がん患者の多い病棟、外来、在宅ケア領域で勤務していることが望ましいとされています。


がん放射線療法看護認定看護師


がんの治療では「手術」「化学療法」「放射線療法」が3大治療とされています。
この中でも放射線療法は、現代医療の目覚しい進歩によって、その効果が期待されるようになりました。
放射線療法は、体外や体内からがん細胞や転移した病巣などに放射線を照射する治療方法ですが
化学療法と比べると副作用も小さく、
患者のQOLが著しく低下してしまう恐れがないなどのメリットがあります。


放射線療法の副作用は、
照射した部位の痒みやかさつき、脱毛、倦怠感などの他に
肺炎や膀胱炎、直腸炎などの合併症を引き起こす可能性もあります。
ですが、大抵の副作用には対処療法が存在するため、治療の効果を考えると小さなデメリットだと言えます。


がん放射線療法看護認定看護師は
放射線療法の効果や副作用、治療計画などを正しく説明し、長い治療を安全で安楽に続けられるよう支援します。
また、患者の病態をよく理解したうえで、患者やその家族が抱える精神的な負担の軽減を図り、
治療に前向きに取り組むことができるようマネジメントする必要があります。
放射線療法を行なう上で生じる副作用や合併症に対しての専門的な知識を持ち、
それに対して適切に対処できることも求められる能力の1つです。
そして、質の高いがん放射線療法看護の実践を通じて役割モデルを示し、他の看護職者の指導や相談に応じます。
さらには、がん放射線療法において他職種との橋渡しができる存在となって、
治療や在宅医療促進のために役立てることが期待されています。


がん放射線療法看護認定看護師の受験資格は
通算3年以上のがん放射線療法を受けている患者の多い病棟や外来、治療部門での看護実績があること、
がん放射線療法を受けている患者の看護を5例以上担当した実績を持っていることが条件です。
また、現在、がん放射線療法を受けている患者の多い病棟や外来、治療部門で勤務していることが望ましいとされています。


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